医療ファクタリングってどんな方法?メリットやデメリット特徴について
2023年06月28日 12時49分
最近は医療機関、特に個人経営のクリニックなどので資金調達の1つの方法として、ファクタリングの利用が増えています。医療機関の収入は診療報酬制度の兼ね合いにより実際に診療報酬を請求してから入金されるまで3カ月近くかかってしまうため、その間の運転資金を調達することが難しいというデメリットがありますが、この医療ファクタリングを利用すれば、売掛金を早く現金化することができます。
医療ファクタリングというと難しいと思うかもしれませんが、支払先が異なるだけで、基本的に普通のファクタリングとあまり変わりはありません。
ファクタリングは借金ではありませんから、ファクタリングを利用したことによって銀行からの新たな融資に影響することもありません。
またクリニックの場合、お客さんは普通の患者さんですから、たとえファクタリングを利用したことが明らかになってしまっても売り上げに影響を及ぼすことはありません。
実は医療ファクタリングを利用するクリニックは年々増えています。
社会保険診療報酬支払基金がまとめたデータによると、2020年度にファクタリングが利用されたのは月間平均が7千件、500億円にも達しているのです。
特にコロナウイルス感染症の流行により、多くのクリニックでは経営が苦しくなり、資金調達の手段としてファクタリングが一般的になりつつあることがよくわかります。
医療ファクタリングのメリットとは?
ファクタリング会社を利用する場合には審査を受ける必要がありますが、そのときに重視されるのが売掛先の信頼性です。しかし医療ファクタリングの売掛先は国保、社保という国の医療保険制度であり、間違いなく回収できるため審査を落ちることはほとんどないと言ってもいいでしょう。
まだ新設したばかりで銀行の融資が受けられないなどの場合であったとしても、医療ファクタリングなら審査に問題はありません。
さらに医療ファクタリングの手数料は1%前後とかなり安く抑えられているため、気軽に利用できるというメリットもあります。
医療ファクタリングの注意点
一見、メリットばかりに見える医療ファクタリングですが、注意点もあります。まずファクタリングを利用することは資金繰りが悪化しているクリニックにとっては一時的な問題解決となりますが、根本的な解決策ではありません。
長い目で見ればお客さん、つまり患者さんを増やすための努力が必要であり、あくまでも当座を凌ぐための資金繰りの一つであることは覚えておきましょう。
またファクタリング業者を利用すると手数料が発生してしまうことも覚えておきましょう。
せっかくの売り上げの一部が手数料として徴収されてしまうため、あまり頻繁に利用するのは考えものです。
この記事では医療ファクタリングについてわかりやすく解説してきました。
資金繰りが一時的に悪化したクリニックなどでは、医療ファクタリングを利用することでとりあえずのピンチを凌ぐことができます。
ファクタリングを利用する場合の審査もほぼクリアできて手数料も安く抑えられていますから、資金調達先の一つとして候補に挙げると良いでしょう。